私たちマーチャンダイジングチームは、新商品の選定や制作工程の取材をするために、各地のお取引先様を訪問しています。今回はカメラマンと一緒に会津塗の取材で、福島県会津若松市を訪ねました。会津塗は、松竹梅や破魔矢、桧垣などの縁起の良い文様である会津絵が美しい会津地方の漆器です。

長谷川木工所

汁椀などの「丸もの」を作る長谷川木工所を訪ねました。「鈴木式ろくろ」というろくろを使って木地を固定し、すり型と呼ばれるものにカンナを当てて、うつわの外面・内面を二方向から削ります。

1個を仕上げるために、職人さんが座り位置を何度か移動し、両面を削っていきます。壁には、すり型がたくさん吊るしてあり、多くの形状に対応していることが伺えます。

福西惣兵衛商店

お取引をしている福西惣兵衛商店を初めて訪問しました。取り扱っている商品が並ぶショールームの奥には蔵があり、その2階には、海外へ輸出されていた100年前の美しい会津塗や、かつて使われていたお椀や屠蘇器などが展示されています。

太い梁には明治十六年建築と記されていて、歴史の趣を感じさせます。

小松茂夫さん

会津絵の伝統工芸士、小松茂夫さんの取材をしました。これまでの歩みや会津絵への思いを伺い、蒔絵の制作工程も拝見しました。

小鳥のさえずりとカメラのシャッター音だけが響く静かな時間のなか、丁寧に筆が引かれ網代模様が生まれます。小松さんの仕事とともに漆を厚くまとった作業台も、まるで一つの芸術作品のようです。

福西本店

福西惣兵衛商店の本家で、大商人福西家が明治時代に建てた蔵と商家建築を見学しました。

建物の随所に豪華な装飾が施され、また1925年のパリ万博に出展された寄木細工の飾り棚など貴重なものも展示されています。

多くの物を扱う問屋をしながら、味噌醤油、漆器などにも広げたのち、会津漆器をなりわいとして分家したのが福西惣兵衛商店。現在は国登録有形文化財となり史跡として保存され、一般に見学することができます。

会津若松グルメ

出張の合間の楽しみの一つが、その土地のグルメを味わうこと。会津若松と言えば、「会津醤油ラーメン」が有名です。やさしい醤油味のちぢれ麺を堪能しました。地元の皆さんオススメだけあって、昼時には客足が途絶えません。

鶴ヶ城(会津若松城)

取材先への移動中に、周囲を一周しました。会津のやきものである会津本郷焼は、鶴ヶ城の改修時、瓦を焼くために職人を呼んだのが始まりとされています。昭和40年に再建されてからは会津の瓦は使われていませんが、やきものは街の歴史とともに歩んできたのだと実感しました。


会津塗の取材だけでなく、史跡を訪ねることで城下町や会津漆器の歴史をも感じ、華やかな時代にタイムスリップしたような気持ちに。貴重な会津塗を現代にもつなげていかなくては、という気持ちを新たにした取材となりました。

実際の制作工程を拝見し、お話を伺うことは、私たちの記事や動画制作において、なくてはならない貴重な機会です。いつも温かく迎えてくださる産地の皆様に、心より感謝申し上げます。これからも積極的に取材をさせていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

text: 白田 愛(事業統括部 マーチャンダイジングチーム バイヤー)